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2011/3/23

ハンガリー

ハンガリー中銀、新金融政策委員4名が決定

この記事の要約

ハンガリー議会の経済・情報通信委員会は21日、中央銀行の新しい金融政策委員にGyorgy KocziszkyとJanos Cinkotaiの両氏を指名。与党が3分の2以上を占める同議会がその後、この指名を承認した。これに […]

ハンガリー議会の経済・情報通信委員会は21日、中央銀行の新しい金融政策委員にGyorgy KocziszkyとJanos Cinkotaiの両氏を指名。与党が3分の2以上を占める同議会がその後、この指名を承認した。これにより政策金利を定める金融政策委員会の定員7名のうち過半数が金融緩和を目指すオルバン政権寄りになったことから、金融エコノミストは今後、政府の中銀への関与が容易になると指摘。利下げが実施される可能性も否定できないと予想している。

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中銀は1月、加速するインフレを抑制するため3カ月連続の利上げを実施し、政策金利を6%に設定。2月はインフレが緩和したとして金利を据え置いた。次回の金融政策委員会は3月28日に開かれる予定だ。

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昨年発足したオルバン内閣は、金融緩和政策を求めて中銀のシモル総裁と対立。金融政策委員会の外部委員4名のうち2名の指名権は従来、中銀総裁が握っていたが、これを議会に移管する法律を成立させ、議会が4名全員を指名できる体制を整えた。外部委員4名の任期が今月1日で切れたことから、議会の指名ですでに中銀経験者2名が新委員に決定しており、今回の指名承認で、政権寄りの4名が外部委員を占めることになった。

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なお、今回選出されたKocziszky氏はミシュコルツ大学経済学部の学部長で欧州経済統合や地域経済政策、成長・開発理論を専門分野としている。エコノミストのCinkotai氏はこれまで、中銀のシモル総裁の外部アドバイザーを務めていた。同氏は1990年には当時の政府の主要顧問を務め、35%のインフレと闘った経験を持つ。

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