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2011/4/20

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

仏アレバ、ブルガリアの原子力・再可エネ政策で国営会社と提携

この記事の要約

ブルガリアの国営エネルギー会社、ブルガリアン・エナジー・ホールディング(BEH)が13日、原子力・再生可能エネルギープロジェクトに関し、フランス原子力大手のアレバと提携することで基本合意した。拡大する電力需要を満たすため […]

ブルガリアの国営エネルギー会社、ブルガリアン・エナジー・ホールディング(BEH)が13日、原子力・再生可能エネルギープロジェクトに関し、フランス原子力大手のアレバと提携することで基本合意した。拡大する電力需要を満たすために進めるエネルギー源多様化計画の一環だ。また、福島第一原発事故を機に原発の安全性に対する懸念が広まっていることを背景に、原子力推進に向けた欧州連合(EU)との交渉でアレバの協力を得る狙いもある。

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基本合意によると、◇ブルガリア唯一の原発であるコズロドゥイ原発の5号炉と6号炉の運転期間の延長◇ベレネ原子力発電所(出力2,000メガワット)の建設プロジェクト――で提携する。具体的には、従業員研修、安全水準の強化のほか、水力発電分野でもノウハウを交換する。黒海における洋上風力発電についても提携を検討する。

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ベレネ原子力発電所の建設工事は2008年にロシア原子力公社(ロスアトム)が受注したが、資金面の問題で実施が遅れている。英金融大手HSBCによる経済性評価をもとに、今年6月にプロジェクトを実行するかどうかを決定する。実行が決まった場合、アレバはロスアトムのサプライヤーとしてプロジェクトに参加する予定だ。

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ブルガリアはガス・石油をロシアからの輸入に頼る。政府はエネルギー源を多様化することで、ロシアへの依存を弱めることも狙っている。

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ブルガリア政府はEU加盟交渉で、コズロドゥイ原発1~4号炉の廃止日程の前倒しを強いられた。ボリソフ首相は「当時と同じように5、6号炉が廃止されれば、ブルガリアは破産する」と述べ、安全対策に関するアレバのノウハウを活用して運転延長を実現したい意向を表明した。

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1~4号炉の廃止をめぐる議論では、フランス政府およびアレバが廃止に強く反対した経緯がある。

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