中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/7/6

ロシア

仏シュナイダー、ロシア第3工場が稼働

この記事の要約

配電・制御機大手の仏シュナイダー・エレクトリックのロシア第3工場がこのほど、レニングラード州コムナルで稼働した。1,000万ユーロを投じた同工場では、中圧(MV)小型配電盤「RM6リングメインユニット」を製造する。ロシア […]

配電・制御機大手の仏シュナイダー・エレクトリックのロシア第3工場がこのほど、レニングラード州コムナルで稼働した。1,000万ユーロを投じた同工場では、中圧(MV)小型配電盤「RM6リングメインユニット」を製造する。ロシアと独立国家共同体(CIS)におけるスマートグリッド(次世代送電網)需要に対応し、年6,000ユニットを製造する計画だ。年内または来年中に投資を回収できると見込んでいる。現地英字紙『モスクワ・タイムズ』が4日、報じた。

\

シュナイダーはフランスと中国の拠点で製造している「RM6」の類似製品をロシアでこれまでに2万2,000台以上販売しており、今後の需要増大が期待できる。新工場で製造する「RM6」は遠隔モニター機能を備えているため、不具合を早期に発見、修理し、配電サービスの中断を削減することができるという。

\

ロシアでは2030年までに173ギガワットの追加発電能力が必要になると予想されており、発電・送電インフラの近代化、拡張への投資規模は3,280億ドルに上ると見込まれている。特に、送電ロスはフランスの年間電力消費量に匹敵するといわれており、スマートグリッド技術の導入による送電効率化が不可欠となっている。

\

すでに独シーメンスや米イートン、ゼネラル・エレクトリック(GE)はロシアをスマートグリッドの戦略市場と位置付け、同国企業への関連商品の売り込みを開始。リチウムイオン電池大手の米Ener1社(エナール・ワン)はソチで開催される冬季オリンピックでの電力供給向けに、ロシアの連邦送電会社(FSK)からリチウムイオン蓄電システムを受注した。

\

シュナイダーのロシア事業の2010年売上高は170億ルーブル。前年の145億ルーブルから増加し、売上全体の2.3%を占めた。国内3工場で約3,000人を雇用している。(1RUB=2.91JPY)

\