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2011/7/6

ロシア

ノリリスク・ニッケル、北極海航路経由の輸送倍増へ

この記事の要約

ロシアの非鉄大手ノリリスク・ニッケルは、総額3億7,000万米ドルを投資して2016年までに北極海・北東航路を経由した輸送を倍増させる計画だ。6月29日付けのブルームバーグが報じた。\ 積載量が現行船の倍の20フィートコ […]

ロシアの非鉄大手ノリリスク・ニッケルは、総額3億7,000万米ドルを投資して2016年までに北極海・北東航路を経由した輸送を倍増させる計画だ。6月29日付けのブルームバーグが報じた。

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積載量が現行船の倍の20フィートコンテナ1,450個という砕氷コンテナ船を16年までに1億7,000万ドルをかけて建造するほか、積み出し拠点であるドゥディンカ港の拡充や、精錬所と港を結ぶ鉄道の整備などに2億ドルを投じる。

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北東航路はスエズ運河やマラッカ海峡を通るより航行距離が短縮でき、テロや海賊の心配もないため注目されてきたが、分厚い海氷が障害となって商業航路としては採算が取れなかった。しかし、近年の温暖化の進行により海氷が少なくなったため、欧州やロシアとアジアを結ぶ海上輸送が活発になってきている。ノリリスクは昨年、バレンツ海のムルマンスクから北極海を通って中国と韓国への金属・石炭の輸送を開始、約1万トンを出荷した。

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セルゲイ・ブゾフ副最高経営責任者(CEO)によると、アジア向けの輸送コストは、北東航路を利用した場合1トン当たり120ドルと、スエズ運河を経由した場合と比べ半分以下、所要日数もスエズ運河の40日に対し北東航路は18日と大幅に短縮されるという。

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米コロラド大の雪氷データセンター(NSIDC)によると、昨年の夏季終了時点での北極の海氷面積は476万平方キロメートルと、観測史上3番目の小ささとなった。

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