2011/9/21

チェコ・スロバキア

ロスアトム子会社、チェコ冷却塔メーカーの過半数株取得

この記事の要約

ロシア原子力公社(ロスアトム)の核施設建設子会社アトムエネルゴマシ(Atomenergomash)は7日、チェコの冷却塔メーカーChladici veze Praha(CHV)の株式51%を同社の親会社Gardea a. […]

ロシア原子力公社(ロスアトム)の核施設建設子会社アトムエネルゴマシ(Atomenergomash)は7日、チェコの冷却塔メーカーChladici veze Praha(CHV)の株式51%を同社の親会社Gardea a.s.から取得した。CHVが15日発表した。

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CHVは中東欧最大の冷却塔、産業用冷却システムメーカーで、部品を含めた冷却システム一式を製造している。1951年の創業からこれまでに、発電所向けにコンクリート製の冷却塔を80基以上製造。そのうち28基が原子力発電所向けだった。また、同地域では唯一、マイクロ冷却機や軸流送風式冷却塔を製造している。

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事業の国際化を目指すアトムエネルゴマシは、新規の製品やエンジニアリング技術を所有する企業を買収し経営体制を強化する戦略をとっており、今回のCHV株取得はその一環だ。一方、CHVもアトムエネルゴマシの傘下に入ることで、ロシア、CIS諸国での営業基盤を強化できるうえ、欧州やアジア市場に進出するチャンスを得られる。

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なお、チェコのテメリン原発の原子炉増設の入札に名乗りを上げているアトムストロイエクスポルトもアトムエネルゴマシと同様、ロスアトムの傘下にある。同社は、同案件を落札した場合、競合の米ウエスチングハウスや仏アレバよりも多くの雇用をチェコ国内で創出できると主張しており、今回のCHV買収がテメリン原発の入札と関連している可能性もある。

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