2011/10/5

CIS諸国

ウクライナ乗用車市場に回復の兆し

この記事の要約

2009年の経済危機で急転落したウクライナの乗用車市場に回復の兆しが見えてきた。新車販売台数は2009年の前年比72%の激減に続き、昨年も3%減少したが、業界の暫定的予測によると、今年は約15%増の19~20万台の販売が […]

2009年の経済危機で急転落したウクライナの乗用車市場に回復の兆しが見えてきた。新車販売台数は2009年の前年比72%の激減に続き、昨年も3%減少したが、業界の暫定的予測によると、今年は約15%増の19~20万台の販売が期待される。ただ、新車登録台数が62万3,252台に上った08年の規模を回復するには、なお時間がかかりそうだ。独日刊紙『NfA』が報じたところによると、高級車モデルではドイツなど欧州メーカーの販売が好調だ。

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一方、現地メーカーと中国メーカーとの連携の動きが強まっており、ウクルアフトやAISが低価格の中国車の販売を強化しているほか、ボフダーン・モーターズは中国車の受託生産を模索している。東日本大震災で生産・納品に影響が出た日本メーカーは、現代自動車、ルノー、フォルクスワーゲンなどにシェアを奪われたもよう。

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新車販売が好調な背景には、低金利自動車ローンの貢献もある。Auto-Consulting社によると、新車販売全体に占める自動車ローンの利用率は、09年の5.5%から昨年には11%を超え、今年はさらに20~25%に急拡大すると見られる。

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国内の乗用車生産台数も回復基調にある。08年の40万1,600台という最高記録から09年に激減したが、昨年は前年比28.1%増の8万3,600台に上った。今年も昨年並みの増産規模となり、現時点では総生産台数は約10万7,000台と予想される。

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