中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/10/12

総合・マクロ

中東欧の不動産投資が好調

この記事の要約

中東欧の不動産投資市場が好調だ。墺大手銀行エルステ銀行が3日発表した報告書『CEEリアルエステート』によると、2011年1~8月中旬までの中東欧の不動産投資額は69億ユーロと、昨年通年の投資額を20%上回った。CEEエク […]

中東欧の不動産投資市場が好調だ。墺大手銀行エルステ銀行が3日発表した報告書『CEEリアルエステート』によると、2011年1~8月中旬までの中東欧の不動産投資額は69億ユーロと、昨年通年の投資額を20%上回った。CEEエクイティ・リサーチのアルトナー氏は、このところの低金利でイールドギャップは09年春以来の水準に上昇しており、そのことが不動産投資に追い風となっていると指摘する。

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11年上期の中東欧のオフィス物件への投資額は22億ユーロで、ポーランド、ロシアの2カ国が全体の75%を占めた。投資主体は国内投資家が50%以上を占めているが、外国人の投資が増加傾向にあるという。11年上期に中東欧の主要都市で竣工したオフィス物件の総面積は46万平方メートルと過去最低に落ち込み、うち半分をモスクワが占めた。ただ、新規の建設プロジェクトは相次いでおり、将来のオフィス物件供給に不安が生じる可能性は少ないと見られる。オフィス需要が好調に推移する一方で、新規物件の供給が低水準にとどまっていることから、空室率は改善傾向が続いており、11年4-6月期は13.8%と、10年10-12月期から1.9ポイント低下した。ただ、平均空室率はワルシャワの6%に対しベオグラードは24%と、都市によってかなりばらつきがある。

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中東欧全体の優良オフィス物件の賃料は前年と比べほぼ横ばいとなっているが、モスクワが20%、キエフが25%それぞれプラスと旧ソ連圏で上昇が目立つ一方、ソフィアとザグレブは3.5%、ベオグラードが1.7%それぞれマイナスと、南東欧諸国では下落が見られた。平均賃料は、モスクワが1平方メートル当たり500ユーロに対し、ソフィアは168ユーロと開きがある。

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