2011/10/19

総合・マクロ

セルビアを加盟候補国に、モンテネグロとの加盟交渉開始も=欧州委

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は12日発表したEU拡大に関する年次報告書で、セルビアの加盟候補国認定およびモンテネグロとの加盟交渉開始を加盟国に勧告した。いずれも12月のEU首脳会議で承認される見通しだ。\ セルビアは20 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は12日発表したEU拡大に関する年次報告書で、セルビアの加盟候補国認定およびモンテネグロとの加盟交渉開始を加盟国に勧告した。いずれも12月のEU首脳会議で承認される見通しだ。

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セルビアは2008年にEU加盟の前段階である「安定化・連合協定(SAA)」を締結し、2009年12月に加盟を正式申請。次のステップとなる加盟候補国としての認定には、ボスニア内戦時の戦犯を旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)に引き渡すことが条件となっていた。

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セルビア政府は今年7月、大物戦犯の中で最後まで逃亡を続けていたゴラン・ハジッチ被告を逮捕し、身柄をICTYに引き渡したことから、今回の勧告は予想通り。ただ欧州委は、セルビアがコソボ独立を承認していないことから加盟交渉開始の勧告は見送った。セルビアは加盟実現に向け、コソボとの対話促進を求められる。

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モンテネグロは昨年、加盟候補国として認定され、次の段階として加盟開始を目指していた。欧州委は報告書で、前提となる汚職・組織犯罪対策が進展したことから、加盟交渉開始の準備が整ったとして、加盟交渉開始を勧告した。

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このほかの加盟候補国では、クロアチアが6月に加盟交渉を完了。2013年7月に加盟の予定となっている。

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2005年に加盟候補国となったマケドニアに関しては、欧州委が2009年から加盟交渉開始を勧告しているが、国名をめぐって対立するギリシャが拒否権を発動し、交渉開始を阻止しているため実現していない。欧州委は今回、改めて加盟交渉開始を勧告したが、国名問題を解決しない限り、前進できない状況にある。

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一方、すでに加盟交渉を行っているトルコは、キプロス問題などが障害となって交渉が過去1年間、まったく進展していない。欧州委はトルコ政府に対して、同問題の解決や人権、言論の自由強化などの改革に取り組むよう求めた。

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