ロシア国営天然ガス企業ガスプロムは、欧州向けの天然ガス卸売価格を引き下げた。欧州経済の先行き不透明感が強まり欧州向け輸出の伸び悩みが予想されることから、値下げで市場シェアの維持を図る。
\ガスプロムの輸出部門であるガスプロム・エクスポルトのメドベージェフ社長は17日に、仏GDFスエズ、独ウィンガス、スロバキアSPP、伊シネルジエ・イタリアーネ、墺エコンガスの欧州ガス会社5社への卸売価格を「欧州のガス市場の動向と一部の欧州諸国における経済・エネルギー事情を考慮し調整した」との声明を出した。ガスプロムの広報は価格調整が値下げであるかどうかについてコメントを避けたが、シネルジエ・イタリアーネの関係筋はロイター通信の取材に対し、卸売価格が「大幅に」引き下げられたと語った。
\ガスプロムの欧州向け長期ガス契約は原油価格に連動して決定されるが、ガス会社は小売価格がより安価なスポットガス価格に連動させているため、割高なロシア産ガスに対する不満が出ていた。
\なお、ガスプロムが先ごろ発表した2011年の欧州向けガス輸出は前年比9%増の1,500億立方メートルだった。11年の欧州向け価格は1,000立方メートルあたり390米ドルだった。
\