2012/2/1

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

セルビア政府、USスチール製鋼所の救済検討

この記事の要約

セルビア政府は、米鉄鋼大手USスチールが閉鎖を検討しているスメデレボ製鋼所の救済に乗り出す構えだ。ニケジッチ財務次官は1月25日、民放テレビB92の討論番組で、同26日にスメデレボ製鋼所の今後についてUSスチール幹部と協 […]

セルビア政府は、米鉄鋼大手USスチールが閉鎖を検討しているスメデレボ製鋼所の救済に乗り出す構えだ。ニケジッチ財務次官は1月25日、民放テレビB92の討論番組で、同26日にスメデレボ製鋼所の今後についてUSスチール幹部と協議を行うことを明らかにし、製鋼所の存続に向けて様々な選択肢を検討すると語った。

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USスチールは2003年、民営化によりスメデレボ製鋼所を2,300万米ドルで買収した。しかしバルカン地域経済の伸び悩みや安価な輸入品の流入が鉄鋼製品の需要を圧迫。同製鋼所は2つの溶鉱炉のうち1カ所の稼働をほぼ停止し、生産量は年産能力の240万トンをはるかに下回っている。USスチールは昨年10月、セルビア事業が「著しい困難」に直面しているとの見解を発表。今年は年初から勤務体制を週4日としてコスト削減を図っているが、現地メディアは同社が製鋼所の閉鎖も視野に入れていると報じている。

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不振にあえいではいるものの、スメデレボ製鋼所は従業員5,000人を抱え、セルビアの輸出の10%を占める重要企業。同製鋼所が閉鎖に追い込まれれば、5月に総選挙を控えるツベトコビッチ政権にとって大打撃となる。このため政府はスメデレボの救済に向け特別作業班を設け、政府が同製鋼所を買い取ることも含め対策を練っている。

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