1月下旬からの厳しい寒波でポーランドの天然ガス供給を独占するPGNiGの損失がかさんでいる。ロシアから調達するガスの価格が、エネルギー規制庁(URE)の統制する小売価格を上回っているためだ。
\ポーランドにおけるガス消費量は、年初の日量4,500万立方メートルから2月初めには7,000万立方メートルに拡大した。ウニクレディトCAIBのアナリスト、パフルク氏はPGNiGの損失が1日当たり最大1,500万ズロチに上ると推定する。
\同社は輸入の85%をロシアに頼るが、その購入価格は過去9カ月の石油価格の平均を基に米ドル建てで決まる。昨年後半には石油価格が上昇し、ズロチの対ドル為替相場も下落したため、PGNiGの負担は拡大した。1,000立方メートル当たりの購入額は500ドル前後と推定され、西欧のスポット価格をも上回っている。
\ガスプロムは、西欧の供給数社に対して1月半ばに値引きを行った。ただ、ポーランドはロシア以外からの輸入を増やすことが難しく、シフィノウイシチェ液化天然ガスターミナルが完成する2014年までは有利な条件を引き出すのは困難だ。
\PGNiGはガスプロムに値下げや算定方式の変更を求めて、ストックホルム商業会議所仲裁裁判所に調停を申請した。現在、手続きが進められているが、判決は2013年になる見通し。
\(1PLN=24.12JPY)
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