ポーランドの政府系銅鉱山大手KGHMは5日、カナダの同業クアドラ FNXマイニングの買収手続きを完了した。買収金額は91億5,000万ズロチ(29億カナダドル=約22億ユーロ)。これにより同社は、820万トンの埋蔵量を持つ世界4位の銅生産会社となる。クアドロの買収で今年は生産量を25%(10万トン)拡大できる見込みだ。
\クアドラはカナダ、米国、チリに生産拠点を構える。埋蔵量で世界有数とされるチリのシエラゴルダ地区などで銅開発を行うほか、ニッケルや金、プラチナ、パラジウムも採掘している。今回のKGHMによる買収で、クアドロはカナダの証券取引所での上場廃止が決まる。
\KGHMは生産能力を70万トンにまで拡大するため、今後もM&Aを加速すると発表した。ポーランド政府が銅と銀の採鉱税導入を検討していることから、国外生産を増やす戦略を打ち出している。2010年にカナダ鉱山開発大手のアバクスと設立した合弁会社への出資を51%から80%に引き上げることも検討している。
\なお、KGHMは社名をKGHMインターナショナルに変更した。
\ \■KGHM、配当でポーランドトップ
\ポーランド経済誌『パルキエト』はこのほど、株式配当のランキングを発表した。トップは政府系銅山会社のKGHM。直近の5年間の1株当たりの配当は55ズロチだった。これは2009年初めの株価の50%以上に相当する。今年は18ズロチの配当を見込むが、株式の31.79%を保有する政府の意向次第では変動する可能性もあるという。
\配当2位は通信大手のTPSA。次いでエネルギー大手のKogeneracja、化学大手のプワヴィ(Pulawy)、ビール大手のZywiecが高配当を実施している。(1PLN=26.34JPY)
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