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2012/3/14

チェコ・スロバキア

チェコの破産件数が急増、1-2月期は50%増

この記事の要約

チェコで破産件数が急増している。ドイツの企業信用調査会社、クレジットレフォームによると、今年1-2月期は4,874件を記録し、前年同期の約1.5倍に増加した。破産の4分の3は個人で、前年同期の件数を56.2%も上回った。 […]

チェコで破産件数が急増している。ドイツの企業信用調査会社、クレジットレフォームによると、今年1-2月期は4,874件を記録し、前年同期の約1.5倍に増加した。破産の4分の3は個人で、前年同期の件数を56.2%も上回った。

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クレジットレフォーム・チェコ子会社のオスヴァルドヴァ取締役によると、この背景には「2000~10年に数多く結ばれた消費者金融、住宅ローン契約のうち、病気や失業といったリスクを考慮に入れているケースが少なかった」事実がある。同時に、個人による自己破産申請手続きが2008年に導入され、利用が広まっていることも件数増加につながっているようだ。

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個人による自己破産は、昨年の時点で顕著な増加を示した。破産総数が51%増加する一方で、個人破産は67%の伸びを示した。

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しかし、企業破産が急増したのも事実だ。増加率は21.5%と、ブルガリア(114.3%)、スロベニア(32.4%)に続き中東欧で3位の高率となった。件数では6,753件となり、ハンガリー(2万322件)に続いて2位だった。

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企業破産件数は1-2月期も引き続き上昇している。オスヴァルドヴァ取締役は新規受注の不振を理由としてあげている。受注が早期に回復する見通しはなく、クレジットレフォームでは今年も破産件数が増加すると予測する。

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危機対策として認められてきた例外措置が年末に失効したことも件数を押し上げそうだ。これにより、複数の債権者を持つ企業の債務総額が資産総額を上回った場合、取締役は破産手続きを申請しなければならなくなった。付加価値税率の引き上げも、状況を悪化させそうだ。

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ただ、クレジットレフォーム・オーストリア子会社のヴァインホーファー取締役によれば、チェコなど中東欧諸国では状況は比較的安定しており、企業設立も多いという。

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