米石油最大手エクソンモービルとロシア同業ロスネフチは16日、昨年8月に発表した戦略提携の詳細に関する合意文書に調印した。北極海と黒海の大陸棚でそれぞれ資源開発を進める合弁会社2社を設立するほか、ロスネフチはエクソンが保有する米テキサスやメキシコ湾、カナダの鉱区の権益の一部を取得する。
\北極海のカラ海と黒海の資源開発に当たる合弁2社への出資比率はロスネフチが66.7%、エクソンが33.3%。開発のための予備探査費用は32億米ドルを見込んでいる。また、エクソンは米ウエストテキサスのラエスカレラランチ、カナダ西部ハーマッタン、メキシコ湾20鉱区に持つ権益の30%をロスネフチに売却する。モスクワ近郊で開かれた合意文書の調印式でエクソンのティラーソン最高経営責任者(CEO)は、「両社の関係は新たな次元に入った」と強調した。
\ロシアは世界最大の産油国だが、これまで原油生産の主力だった西シベリアが開発の進展で採掘量が減少、石油各社にとって東シベリアや北極海での資源開発が急務となっている。ロスネフチはエクソンとの提携で技術的に難易度の高い北極海での開発コストを引き下げ、事業化に弾みをつけたい考えだ。
\