2012/5/16

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

東芝、トルコ原発建設で現地企業との提携優先

この記事の要約

トルコの黒海沿岸にあるシノップで計画される原子力発電所建設で、東芝は資金調達、建設、運営でトルコ企業との提携を優先する方針だ。日本を公式訪問中のエルギュン科学産業技術相が明らかにしたもので、間もなく具体的な契約に向けて手 […]

トルコの黒海沿岸にあるシノップで計画される原子力発電所建設で、東芝は資金調達、建設、運営でトルコ企業との提携を優先する方針だ。日本を公式訪問中のエルギュン科学産業技術相が明らかにしたもので、間もなく具体的な契約に向けて手続きを開始するという。日本企業のトルコへの関心は高く、富士通とNECが公立学校にPCや電子黒板を装備する「FATIH計画」の参加に意欲を示したほか、三菱電機も衛星分野におけるトルコ企業との提携に関心を抱いている。トルコ側も新しい投資優遇制度を通して投資誘致を狙う。

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シノップ原発は、地中海沿岸のアックユ原発に続くトルコで2つ目の原子力発電所となる。2010年末に日本が独占交渉権を獲得し、東京電力と東芝の受注が確実視されていた、福島第一原発事故により東電が撤退。日本の原発政策の迷走で話し合いは前進せず、トルコ側はすでに韓国との交渉を再開した。

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富士通とNECは、公立学校の生徒に1,500万台のタブレット型PCを支給する「FATIH計画」に関心を示している。同プロジェクトの予算は75億米ドルと推定されている。

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三菱電機は昨年3月、トルコから通信衛星2基を受注した。この実績を生かし、トルコ企業と提携し、次の衛星プロジェクトへの参加も狙っているもようだ。また、トルコ科学技術研究会議(TUBITAK)の共同研究開発も進めていく方針という。

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エルギュン科学産業技術相は日本・トルコ経済委員会の会合に出席し、新しい投資優遇措置の魅力を紹介して日本企業代表者にトルコ投資を働き掛けた。

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