2012/5/16

バルト三国

電力公社の財務悪化を懸念、ヴィサギナス原発建設で=米ムーディーズ

この記事の要約

米国の大手格付け会社ムーディーズはこのほど、エストニア電力公社(エースティ・エネルギア)と、ラトビア電力公社(ラトヴエネルゴ)に対し、リトアニア・ヴィサギナス原子力発電所プロジェクトへの参加が財務に深刻な影響を与える可能 […]

米国の大手格付け会社ムーディーズはこのほど、エストニア電力公社(エースティ・エネルギア)と、ラトビア電力公社(ラトヴエネルゴ)に対し、リトアニア・ヴィサギナス原子力発電所プロジェクトへの参加が財務に深刻な影響を与える可能性があると警告した。欧州の同様なプロジェクトで費用が当初予測を大きく上回る傾向にあることから、能力を超える金銭的負担を強いられ、結果として両社の信用格付けが悪化する懸念があるという。

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リトアニア政府は欧州連合(EU)加盟の条件として運転を停止したイグナリナ原発に代わるものとして、ヴィサギナス原発の建設計画を推進している。2015年着工、2022年までの操業開始を予定する。投資規模は推定50億ユーロ。両電力公社のほか、戦略パートナーとして日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)の合弁会社、GE日立ニュークリア・エナジーも費用を負担する。

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ムーディーズによるエストニア電力公社の信用格付けは現在「Baa1」で見通しは「安定的」、ラトビア電力公社は「Baa3」で見通しは「安定的」となっている。両社は合わせてバルト三国市場で70%のシェアを握っている(売上高ベース)。(東欧経済ニュース4月4日号「リトアニア政府と日立が契約、原発新設プロジェクトで」を参照)

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