プーチン大統領は10日、18、19の両日に米国キャンプ・デービッドで開かれる主要国首脳会議(G8サミット)に欠席する旨、オバマ米国大統領に伝えた。組閣を優先すると理由づけているが、今後の米ロ関係の冷え込みを示すのではないかとの憶測も浮上している。会議にはメドベージェフ首相が代理で出席する。
\G8サミットの前にはプーチン大統領就任後初の米ロ首脳会談が米大統領官邸(ホワイトハウス)で行われる予定だった。今回のキャンセルで、初顔合わせは6月18~19日にメキシコのロス・カボスで開催される20カ国・地域首脳会合(G20サミット)に延期された。
\米シンクタンク、ブルッキングス研究所のヒル氏によれば、本当に組閣が理由かもしれない。しかし、就任後初の米ロ首脳会談を米大統領官邸ではなく、もっと中立的な場所で行いたいというプーチン大統領の意図を反映したものとも考えられると指摘する。
\下院選挙・大統領選挙での不正や反政府運動の弾圧に対する欧米諸国の批判をかわすためと見る向きもある。
\一方で、プーチン大統領は国内動向に対する外国からの批判など、全く気に留めていないとする声も強い。
\これらの専門家は、プーチン大統領が、政治的交渉が可能になるのは11月の米国大統領選後と判断したと推測する。欧州におけるNATOミサイル防衛システムをめぐる両国の話し合いがこう着状態にあり、政治的成果が期待できないことも背景にあるという。
\政治情報センターのアナリスト、ムーヒン氏は、「G8サミットで取り上げられるのはプーチン大統領がまだ話し合う気のない議題だ。中国など他の新興諸国代表も集まるG20では交渉力が強まるため、参加するということだろう」と話している。
\なお、G8サミット直後の20~21日にシカゴで行われる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議には、ロシア政府高官が出席する見通しだ。
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