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2012/5/16

ロシア

プーチン大統領、「新経済」確立目指す・投資促進など指示

この記事の要約

4年ぶりに大統領に返り咲いたロシアのプーチン大統領は就任初日の7日、「新経済」を確立する方針を打ち出すとともに、政府に対して投資の促進や国有企業の再編を指示する一連の大統領令を出した。\ 大統領令は長期的な社会・経済目標 […]

4年ぶりに大統領に返り咲いたロシアのプーチン大統領は就任初日の7日、「新経済」を確立する方針を打ち出すとともに、政府に対して投資の促進や国有企業の再編を指示する一連の大統領令を出した。

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大統領令は長期的な社会・経済目標を設定しており、◇投資を対国内総生産(GDP)比で現在の20%から2015年までに25%以上に引き上げる◇20年までに2,500万人分の生産性の高い雇用を創出する◇労働生産性を18年までに50%向上させる◇天然資源依存型経済から脱却するため、GDPに占めるハイテク製品の比率を30%拡大する◇世界銀行のビジネス環境ランキングでの順位を現在の120位から15年までに50位に、18年までに20位に上げる◇統一航空機製造会社(OAK)、統一造船企業(OCK)、ロシア・テクノロジーの国有企業3社の経営見直し◇政府調達システムの改革――などの多岐にわたる内容となっている。大統領は就任演説で、「将来世代の生活と我が国の前途は…新経済と現代的な生活水準の創出に成功できるかにかかっている」と強調した。

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大統領令は、プーチン大統領と入れ替わる形で首相に就任したメドベージェフ前大統領に早くも厳しい要求を突きつけた格好だ。最大手銀行ズベルバンクのチーフエコノミスト、ユダエワ氏は、「設定された目標の多くは達成可能だが、問題は目標の数ではなく、目標を達成するための手段だ」と指摘。「ビジネス環境ランキングの順位を20位に上げるというのは非常に野心的な目標だが、我々の競争相手も同じような目標を設定しているということを念頭に置いておく必要がある」と述べた。

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