日産自動車は21日、ロシアのサンクト・ペテルブルグ工場に1億6,700万ユーロを追加投資し、2014年までに生産能力を10万台に倍増させる計画を発表した。成長著しいロシア市場での販売拡大を視野に入れて現地生産を強化する。
\サンクト・ペテルブルグ工場ではプレス・樹脂工場などを新設する。工場面積は5万平方メートル拡大する。同じ生産ラインで5車種の製造が可能になる。
\現在生産中のセダン「ディアナ」、スポーツタイプ多目的車(SUV)「エクストレイル」、「ムラーノ」に加え、小型SUVの次世代「キャシュカイ(日本名:デュアリス)」など2種を追加する。英国サンダーランド工場では、ロシア市場向け以外のキャシュカイの生産を継続する。
\日産・ルノーはロシアにおける日産ブランド販売台数を2016年までに11年実績(16万1,000台)の3倍に増やし、市場シェアを5.9%から10%に引き上げる目標を掲げる。その達成に向けて16年までに現地生産比率を80%に引き上げる。
\サンクト・ペテルブルグ工場は2009年に稼働。2010年に2シフト制、昨年4月に3シフト制に移行し、生産能力は5万台まで拡大した。従業員数は約1,600人。
\ \■アフトワズで「ダットサン」生産
\ \日産・ルノー連合が過半数株取得を予定するアフトワズのトリヤッチ工場では、新興国向けエントリーモデルとして復活する「ダットサン」のロシア仕様車を生産する。今年11月に市場投入する「アルメーラ」も同工場から出荷する予定だ。
\また、現地報道によると、日産・ルノー連合はアフトワズと共同で、2015~16年までにイジェフスク機械製作工場の近代化に100億ルーブル超(3億2,200万米ドル)を投じる方針だ。ラーダ「グランタ」の生産台数を30万台以上に引き上げるほか、類似のモデルの生産も開始する。
\ \■金融子会社も設立
\ \22日付『モスクワ・タイムズ』によると、日産・ルノー連合は伊金融大手のウニクレディトと提携し、金融サービスを提供する合弁子会社を設立する計画という。出資比率は日産・ルノーが60%、ウニクレディトが40%となる。
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