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2012/5/23

ロシア

ロシアの4月鉱工業生産、1.3%増にとどまる

この記事の要約

ロシア経済が減速気味だ。連邦統計局(ロススタット)が先ごろ発表した4月の鉱工業生産は前年同期比で1.3%の増加にとどまり、アナリスト予想の2.5%を大幅に下回った。3月もアナリスト予測の5~5.5%に対し2%と不振だった […]

ロシア経済が減速気味だ。連邦統計局(ロススタット)が先ごろ発表した4月の鉱工業生産は前年同期比で1.3%の増加にとどまり、アナリスト予想の2.5%を大幅に下回った。3月もアナリスト予測の5~5.5%に対し2%と不振だった。前月比では5.4%縮小し、3月に続いて2カ月連続の減少となった。

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前月比で後退が目立ったのは、ガス(10%減)、石炭(4.7%減)、魚加工(31.4%)、コンピューター(30.2%)、ガソリン(12.9%減)、ディーゼル油(7.9%減)、穀物粉(8.9%減)、電気(14.2%減)など。建材は大幅に増加したが、これは季節的要因によるところが大きい。

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モスクワ開発センターのヴァレリー・ミロノフ主任エコノミストは経済減速について、「予想内の出来事」と話す。選挙が終わって産業への政府補助がなくなり、通常の状態に戻っただけとの見方だ。

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今後の経済見通しでは、原油価格の低下も懸念材料となっている。ロシアの経済成長率は2年あまりにわたり、4.3%前後で足踏み状態。この時期に原油価格が40%上昇したことを踏まえると芳しい結果とはいえない。このため、原油価格が低下すれば鉱工業生産に悪影響が及ぶのは必至と考えられる。

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また、他国に比べて人件費が急速に上昇し、企業のコスト負担が増えていることも足を引っ張る可能性がある。

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今年のロシア経済成長率予測は国際通貨基金(IMF)が4%、欧州復興開発銀行(EBRD)が4.2%、経済協力開発機構(OECD)が4.5%。一方で、ロシア経済省は先月、3.7%から3.1%に引き下げた。ミロノフ氏は2~2.5%とみる。

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1-3月期は前年同期比で4.9%拡大した。

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