中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2012/6/13

CIS諸国

ウクライナ、サッカー欧州選手権「ユーロ2012」の経済効果大

この記事の要約

オーストリアのエルステ銀行のレポートによると、ウクライナは過去5年間で国内総生産(GDP)の9%に当たる130億ドル超をインフラ整備などに投じ、サッカー欧州選手権(ユーロ2012)開催の準備を進めてきた。8日付けの現地英 […]

オーストリアのエルステ銀行のレポートによると、ウクライナは過去5年間で国内総生産(GDP)の9%に当たる130億ドル超をインフラ整備などに投じ、サッカー欧州選手権(ユーロ2012)開催の準備を進めてきた。8日付けの現地英字紙『キエフ・ポスト』が報じた。

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スタジアムのあるドネツィク、ハルキウ、キエフ、リヴィウの4都市は空港ターミナルを近代化した。スタジアム周辺には約300のホテルが新たに建設され、韓国製の最新型鉄道車両も導入された。

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こうした莫大な投資は、はたして同国に利益をもたらすのか。スポーツの一大イベントは通常、投資の対価が小さいと言われている。しかし、エルステ銀行によると、今回の投資はウクライナの輸送インフラの近代化に大きく貢献したという。さらに、投資活動の活発化や雇用増、観光客の増加などの経済効果をもたらした。約7万人の雇用を創出した。これから期待されるのは観光産業だ。

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ウクライナのコレスニコフ副首相が発表した政府試算によると、ユーロ2012年の開催期間中(6月8日~7月1日)の観光産業の売上高は13億~15億ドルに達する見通し。やや強気の予測ではあるものの、今年は観光産業がGDPを0.6%押し上げるとしている。

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ただ、エルステ銀行のアナリストは、ウクライナの経済情勢が不安定であることから、ユーロ2012年の経済効果を正確に把握するのは難しいと指摘している。一方、共同開催国のポーランドは、今大会の開催に250億ドル(GDPの5%)を投資しており、GDPが2%上昇することが見込まれている。

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