独エネルギー大手エーオンは3日、ロシアの政府系天然ガス企業ガスプロムとの間で結んでいたガス長期購入契約を見直すことで合意したことを受け、2012年の業績見通しを上方修正すると発表した。
\ガスプロムの欧州向け長期ガス契約は原油価格に連動して決定されるが、ガス会社は小売価格をより安価なスポットガス価格に連動させているため、割高なロシア産ガスに対する不満が高まっている。欧州債務危機による景気減速でガス需要が減少していることもあって、ガスプロムは欧州で価格引き下げ圧力にさらされている。1月には仏GDFスエズ、独ウィンガス、スロバキアSPP、伊シネルジエ・イタリアーネ、墺エコンガスの欧州ガス会社5社への卸売価格を引き下げると発表した。
\エーオンはガスプロムにとって欧州最大の顧客であり、年間200億立方メートルを調達している。エーオンは今回、2010年第4四半期にさかのぼって価格を見直すことで合意。これにより、今年上期の利払い・税・償却前利益(EBITDA)は10億ユーロ増加する見通し。また、12年通期の業績見通しもEBITDAを96億~102億ユーロから104億~110億ユーロに、純利益を23億~27億から41億~45億ユーロにそれぞれ上方修正した。
\ガスプロムのメドベージェフ副最高経営責任者(CEO)は今回の合意について、「双方の歩み寄りと昨今の天然ガス市場のトレンドに対する配慮を示すものだ」とコメントしている。
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