チェコにおける天然ガス自動車の登録台数が今後8年で現在の10倍に増加すると見込まれている。2020年までに自動車全体に占める天然ガス車の割合を現在の2%から10%に引き上げる欧州連合(EU)の方針に従い、政府が普及に力を入れることが期待されるためだ。ガソリンやディーゼル油の価格上昇に伴って、燃費に敏感なドライバーや、多くの自動車を保有する企業を中心に関心も高まっている。
\チェコ政府は、圧縮天然ガス車(CNG車)の登録台数を現在の3,800台から20年までに30万台へ引き上げる計画だ。これに向けて、国内ガススタンドの整備を進め、その数を現在の50軒から300軒へ増やす。
\国内ガス供給事業者は100カ所にCNGスタンドを整備することを約束した。総投資規模は10億コルナ(4,000万ユーロ)に上る。また、運輸会社が新たに購入したCNGバスの給ガス料金を、年間4台を限度に1年間無料とする。
\CNG車の新規登録台数は1年の間に30%増加した。フォルクスワーゲンは今年上半期に136台を販売し、前年同期から187%の急増を示した。
\これに比例してCNG燃料の需要も拡大している。チェコで事業を展開する独エネルギー大手のRWEとエーオンは需要が現在の1,200万立方メートルから2020年には8億立方メートルに拡大すると見込む。
\メディア報道によると、エーオンは2020年までに1億コルナをCNG部門に投資する計画だ。RWEはすでに1億コルナを投資してガススタンド10軒を運営している。来年から年間2軒のペースで増やす予定だ。
\ガス供給大手のほかでは、高圧タンクメーカーのヴィトコヴィツェ・シリンダーズ(オストラバ)が2020年までにガススタンド50軒を新設する。地場系CNG供給会社のボネット・ボヘミア(プラハ)は、天然ガス、液化天然ガススタンドおよびバイオガス設備を建設している。これまでに17カ所にガススタンドを設けた。今後数年でさらに30軒を設置する。
\政府の普及目標の達成では優遇税制もカギを握る。チェコでは現在、総重量12トン未満のCNGバス、トラックは道路税が免税されている。これによる減税効果は年間1万2,000~4万コルナに上る。乗用車では4,200コルナ前後だ。
\一方で、自動車燃料用のCNGへの消費税免除は昨年末で終了した。(1JPY=0.26CZK)
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