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2012/9/26

総合・マクロ

チェコ、蒸留酒の輸出を禁止

この記事の要約

チェコ政府は20日、アルコール含有量が20度を超える飲料の輸出を禁止した。欧州委員会の圧力に屈した形だ。一方で国内販売は26日に解禁する方針で、新たな統制策を発表した。1日当たり2,500万コルナ(約101万ユーロ)の税 […]

チェコ政府は20日、アルコール含有量が20度を超える飲料の輸出を禁止した。欧州委員会の圧力に屈した形だ。一方で国内販売は26日に解禁する方針で、新たな統制策を発表した。1日当たり2,500万コルナ(約101万ユーロ)の税収減をストップする狙いとみられる。チェコでは今月3日以来、24日までにメタノールを混ぜた密造酒により25人の死者が出ており、国内では14日から高アルコール飲料の販売が全面的に禁止されている。

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政府によると、◇メーカーに産地と原材料の表示を義務付け◇全ロット検査を実施し安全性を確認した商品のみに新しい印紙を発行――により、新たに生産された製品の安全性を保証する。しかし、すでに瓶詰めされた製品がどうなるのかは不明だ。メーカーの間では「手間が増えるだけで、問題の根源である闇市場には手付かず」との声があがっている。

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チェコで流通する蒸留酒の「密造率」は10%とも25%とも言われ、密造からラベルや印紙の偽造、流通に至るまで、闇経済のシステムが完備しているという。

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検察庁と警察は24日、モラビア・シレジア地方で容疑者2人を逮捕したと発表した。首謀者とされるのはカルヴィナーのレストラン経営者(42)だ。8月末から9月初めにかけて自動車用品を製造する共犯者が入手した15トンのメタノールを工業用エタノールと混ぜて市場に流通させたという。

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警察は今後、密造酒の流通網の全貌解明に尽力すると決意を明らかにした。今回の事件では1万5,000リットルの密造酒がまだ見つかっていない。

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欧州委は19日、チェコ政府に対して輸出を禁止しなければ、欧州連合(EU)が輸入禁止の措置をとると通告していた。

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