中東欧市場の景況感が引き続き悪化している。輸出信用保険業務を請け負うオーストリア管理銀行(OeKB)が8日発表した10月の中東欧景況感指数は82.2となり、前回調査(7月)を1.2ポイント下回った。
\特に現地企業で今後6カ月の見通しが悪化し、業況予測指数は2ポイント減の80.9に低下した。一方、これらの企業のオーストリア本社は0.3ポイント減の83.2で、下げ幅は小幅にとどまった。
\景気予測指数も現地子会社では5.6と2.7ポイント後退した。
\今後12カ月の投資計画についても「追加投資を実施」が12%、「事業縮小」が9%、「現状維持」が80%弱となり、事業規模の拡大は見込めなさそうだ。
\ユーロ採用国ではスロベニアで大きく悪化する一方、スロバキアでは現状維持の予測が大多数を占め、国の情勢による差があることを浮き彫りにした。
\スロベニアで景気予測指数は66.2と7月の76.9から10ポイント以上も悪化。業況予測指数も9ポイント減の71.5に落ち込んだ。
\金融業界では現況判断は良好だが、今後の見通しは暗くなっている。銀行部門では業況予測指数は5.3ポイント減の77.3、保険業界では3.6ポイント減の78となり、業界別で最低となっている。
\OeKBはオーストリアに中東欧統括本部を置く400社とその現地子会社1,500社を対象に景況感調査を実施している。指数は2007年の平均を100として算出している。
\調査対象としているのは、欧州連合に加盟する中東欧11カ国と、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、マケドニア、モルドバ、モンテネグロ、ロシア、セルビア、ウクライナ、ベラルーシの計21カ国。
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