フランスの取引信用保険大手コファスが11月27日発表した最新の調査リポート「中東欧大手500社」によると、2011年は中東欧大手500社にとって好調な年となったようだ。売上高は前年比16%の6,120億ユーロ、純益は45.5%増の300億ユーロに拡大。従業員数も12.2%増加した。一方で今年は欧州債務危機の影響が業績に影を落としそうだ。
\業界別では石油・ガスが依然として優勢で、トップ10にPKNオルレン(1位、ポーランド)、MOL(2位、ハンガリー)、ナフトガス(3位、ウクライナ)、ロトス(6位、ポーランド)、オルレン・ラトビア(8位、ラトビア)の5社が入った。また、全500社中では69社がランクインし、売り上げ全体の約4分の1を占めた。
\そのほかのトップ10入りは、電力が2社、製造業が1社、卸が1社だった。
\金属産業は500社中41社となり、前年の29社から大幅に増加した。一方で食品、製薬、卸は減少した。
\国別ではポーランド企業が全体のおよそ3分の1を占めて、改めてその強さを示した。ウクライナは15%でハンガリー(13%)を抜いて2位に上昇した。チェコ、ルーマニアがこれに続いた。
\資本関係をみると、外資系企業が50%に上った。
\支払不能に陥った企業数は前年に比べて5%増加した。しかし、ラトビアの66%減からクロアチアの103%増まで、国による差が大きい。建設業界の不振は明確で、今後は危機が大手企業から中小企業に波及しそうだ。
\コファスによると、欧州債務危機が中東欧諸国に与える影響は予想を上回っており、チェコ、ハンガリー、クロアチア、スロベニアの4カ国は今年、マイナス成長となる見通し。中東欧全体では今年1%、来年は1.8%の成長が見込まれるという。ただし、欧州債務危機の行方が結果を左右しそうだ。(「目で見る東欧・CIS経済」を参照)
\