2013/1/2

総合・マクロ

ウクライナがOSCE議長国に、加盟国間の対立激化も

この記事の要約

ウクライナは今年、欧州安全保障協力機構(OSCE)の議長国を務める。東欧とカフカス地方を中心に長期紛争の解決および新たな紛争の予防に努めることを重点として掲げている。一方でウクライナ政府自身、選挙のあり方をめぐってOSC […]

ウクライナは今年、欧州安全保障協力機構(OSCE)の議長国を務める。東欧とカフカス地方を中心に長期紛争の解決および新たな紛争の予防に努めることを重点として掲げている。一方でウクライナ政府自身、選挙のあり方をめぐってOSCEの批判にさらされており、加盟国間の緊張の高まりが予想される。

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ウクライナが議長国として解決に取り組む紛争としては◇モルドバ共和国が領有権を主張する沿ドニエストル・モルドバ共和国◇グルジア共和国が領有権を主張するアブハジア、南オセチア◇アゼルバイジャンが領有権を主張するナゴルノ・カラバフ――の問題を挙げている。

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これに加え、◇地域レベルの安全保障・安定◇民主的機関の強化◇欧州通常戦力(CFE)条約の再発効◇エネルギー安定供給◇人身売買対策◇OSCE改革――を課題とする。

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OSCEは欧州諸国、ロシア、米国、カナダ、中央アジア諸国など57カ国が加盟する。しかし、加盟国間の調整が難しく、最近では選挙の公正さをめぐって米国・欧州連合(EU)諸国と旧ソ連諸国の対立が鮮明になっている。

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ウクライナに限れば、ヤヌコビッチ大統領が就任した2010年以降、検閲・保安機関による監視・国家権力乱用の報告が増えている。警察による拷問問題も大きな改善はみられない。ティモシェンコ前首相(52)の投獄問題も未解決だ。国際政治の場ではメルケル独首相がウクライナを「独裁国家」と位置づけるなど、緊張感は高まっている。

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このため、ウクライナが議長国となることで、加盟国間の亀裂が表面化すると懸念されている。

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