オーストリアの金融大手エルステ・グループは15日、3億ユーロの減損処理を実施すると発表した。市場リスクプレミアムの上昇により、年次の減損テストで採用された割引率が高くなったためと説明している。3億ユーロのうち2億6,000万ユーロはルーマニア子会社のルーマニア商業銀行(BCR)が対象となる。
\エルステ・グループは減損処理の実施と、先に発表したウクライナ子会社の売却により、2012年の純利益は4億500万ユーロとなり、赤字となった前年から黒字に転換する見込みであると明らかにした。
\エルステ・グループは2006年にルーマニア最大の商業銀行であるBCRを約40億ユーロで買収した。BCRはリーマンショック以降業績が低迷しており、現在の企業価値は6億ユーロにまで落ち込んでいる。昨年末には従業員の18%に相当する1,600人を削減し、支店60ヶ所以上を閉鎖するリストラ策を発表した。エルステは景気低迷に加えて不良債権の拡大が業績の足かせになっていると説明している。ルーマニアでは銀行の融資全体に占める不良債権の比率ローンが17%に達している。
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