欧州連合(EU)加盟を7月に控えたクロアチアでは、EU加盟に伴い中欧自由貿易協定(CEFTA)から脱退することで、国内の食品産業の競争力に大きな影響が出るとの懸念が広がっている。
\CEFTAにはクロアチアのほかアルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、コソボ、モルドバ、マケドニアが加盟している。クロアチアの輸出の20%はCEFTA加盟国向けであり、2011年の輸出額は18億4,000万ユーロだった。うち45%が農産品と食品が占めた。
\CEFTA加盟国との貿易は現在、無関税または低関税となっているが、EU加盟によってこうした関税優遇措置は撤廃され、クロアチアからの輸出品には最高20%の関税が課せられることになる。こうした事態に備え、食肉加工や製菓など一部の業種では現地生産の拡大で対応する動きが出ている。アグロコル・グループやダニツァなどの食肉大手はセルビアでの生産に乗り出しており、製菓大手クラスはボスニア・ヘルツェゴビナでの生産を強化している。
\専門家は、EUに加盟すれば加盟国間の関税は撤廃されるためEU加盟国からの輸入が増加し、競争力に乏しい中小の食品業者は淘汰される可能性が高いと警告する一方で、国内市場でニッチ商品を武器に生き残る業者も少数だがあるだろうと予想している。
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