中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2013/4/17

CIS諸国

ウクライナ、バイオガス発電の普及に期待

この記事の要約

ウクライナでは今年1月からバイオガス発電が固定価格買取制度(FIT)の対象に加わったことで、バイオガス発電の普及が加速すると期待されている。\ 昨年11月末にヤヌコビッチ大統領が署名し成立した再生エネルギーの促進に関する […]

ウクライナでは今年1月からバイオガス発電が固定価格買取制度(FIT)の対象に加わったことで、バイオガス発電の普及が加速すると期待されている。

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昨年11月末にヤヌコビッチ大統領が署名し成立した再生エネルギーの促進に関する電気エネルギー法の改正法は、バイオガス発電による電力をFIT「グリーンタリフ」制度の対象に含めるとともに、制度の適用対象となるバイオマスの範囲を従来の植物由来から動物由来と産業自治体廃棄物の有機廃棄物に拡大した。バイオガス発電電力の買取価格の算出に使用されるグリーンタリフ係数はバイオマスと同様の2.3に設定され、4月から導入されている。

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世界有数の農業国であるウクライナは、バイオマスエネルギーの潜在性が非常に大きい。バイオエネルギー業界団体UABioの試算によると、供給ポテンシャルは2,700万~3,700万トンで、国内の一次エネルギー消費の13~18%を賄えるという。なお、現在のバイオマス供給量は年間70万トン程度にとどまっている。

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ウクライナでは今後、バイオガスプラントの建設が活発化すると見られている。最大の農産物企業ウクルランドファーミングは、2015年までに18の生産拠点に合計30基のバイオガスプラントを建設する計画で、投資額は8億8,400万ユーロを見込んでいる。また、欧州復興開発銀行(EBRD)はアグリビジネス大手アスタルタの子会社のバイオガスプラント建設プロジェクトに1,200万米ドルを融資すると明らかにしている。

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