中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2013/5/29

CIS諸国

中国とベラルーシ、ミンスク郊外に巨大工業団地を整備

この記事の要約

中国とベラルーシが首都ミンスク郊外に約120キロ平方メートルの巨大工業団地を共同で建設する。欧州連合(EU)に隣接する同国に中国メーカーを誘致する目的だ。ベラルーシが関税同盟を結ぶロシアとカザフスタンへの輸出も非課税とな […]

中国とベラルーシが首都ミンスク郊外に約120キロ平方メートルの巨大工業団地を共同で建設する。欧州連合(EU)に隣接する同国に中国メーカーを誘致する目的だ。ベラルーシが関税同盟を結ぶロシアとカザフスタンへの輸出も非課税となり、中国側は工業団地が企業の事業拡大に向けた踏み台の役割を果たすと期待する。一方でベラルーシのルカシェンコ大統領はEUとの関係が冷え込み、ロシアへの依存拡大を懸念している。中国との関係緊密化は、このリスクを小さくする意図がある。

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新しい工業団地が建設されるのは、ミンスク国際空港近辺だ。EU加盟国のポーランドとリトアニアから300キロメートル圏内にあり、モスクワからベラルーシ、ポーランドを経由してベルリンへ至る高速道M1号線沿いに位置する。空港とミンスク中心地は高速鉄道で結ばれる計画となっている。両国の当局関係者によれば、工業団地には15万5,000人の居住スペースも設けられる。

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中国以外の企業でもハイテク・メーカーであれば、500万ドル以上の投資を条件に進出が可能となる。最初の10年間については法人税及び固定資産税のすべて、次の10年間は半分が免除される。すでに中国医薬集団(シノファーム)や、ラトビアの製薬会社グリンデクスなど10社が進出に関心を示しているという。

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工業団地の開発会社の出資比率は中国機械工業集団(SINOMACH)が60%、ベラルーシ政府が40%だ。中国は開発費用の半分以上を中国製品に支出することを条件に低利融資を実施した。

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