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2013/6/5

ロシア

石油大手ロスネフチ、イテラの完全子会社化を計画

この記事の要約

ロシア国営石油・天然ガス大手ロスネフチは、過半数を出資する天然ガス企業イテラを完全子会社化する計画だ。ロイター通信が5月28日、ロスネフチに近い筋の話として伝えた。\ ロスネフチはイテラの株式51%を保有している。複数の […]

ロシア国営石油・天然ガス大手ロスネフチは、過半数を出資する天然ガス企業イテラを完全子会社化する計画だ。ロイター通信が5月28日、ロスネフチに近い筋の話として伝えた。

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ロスネフチはイテラの株式51%を保有している。複数の関係筋がロイター通信に明らかにしたところによると、ロスネフチの取締役会はイテラの残り株式49%を30億米ドルで買収する計画を承認した。大手投資銀行VTBキャピタルのアナリストは、ロスネフチが2020年までに天然ガスの生産量を1,000億立方メートルに拡大するという野心的な目標を掲げていると指摘。天然ガスプロジェクトのポートフォリオを強化するのはこうした戦略に沿った動きだとの見方を示している。

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ロスネフチは国内天然ガス市場におけるシェアを現在の9%から20年までに19~22%に引き上げることを目指しており、英BPのロシア合弁会社TKN-BPを買収するなど積極的に事業を拡大している。イテラとは昨年、天然ガス生産の合弁会社を設立し、今年は130億立方メートルを生産する計画だ。

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ロシアの天然ガス市場では国営天然ガス企業のガスプロムが圧倒的なシェアを持っているが、独立系ガス企業ノバテクの躍進や、石油会社が随伴ガスの販売を拡大させていることもあって、近年はシェアが縮小する傾向にある。昨年のシェアは73%と、08年と比べ7ポイント低下した。ロスネフチが天然ガス事業の強化を今後も進めることで、ガスプロムのシェア低下に拍車がかかる可能性もある。

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