2013/6/5

CIS諸国

トルクメニスタン、石油化学産業強化に20億ドル

この記事の要約

トルクメニスタン政府は2016年までに20億米ドル弱を石油化学産業強化に投じる。石油の年間処理能力を2030年までに大幅強化する政策の一環だ。長期的には3つの製油所の新設を予定している。\ 政府は年間製油能力を2015年 […]

トルクメニスタン政府は2016年までに20億米ドル弱を石油化学産業強化に投じる。石油の年間処理能力を2030年までに大幅強化する政策の一環だ。長期的には3つの製油所の新設を予定している。

\

政府は年間製油能力を2015年までに1,500万トン、20年までに2,000万トン、30年までに3,000万トンに引き上げる方針を発表している。目標達成は現実的とはいえないが、トルクメニスタンが国内設備の近代化・拡張に乗り出すのは確実だ。

\

計画によると、2016年までにガソリン生産を現行より16.6%多い222万トン、ディーゼル油生産を33%多い274万トン、ケロシン生産を10%多い45万4,500トンにそれぞれ引き上げる。ビチューメンと潤滑油の生産も各30万トン、15万800トンへ倍増させる。また、トルクメンバシとセイディの両製油所の石油加工率を現在の80%から92%へ引き上げる。

\

トルクメンバシ製油所(TNGIZT)では、増産の基盤となる常圧蒸留装置(年間処理能力300万トン)が建設中だ。オランダのアライアンス・エンジニアリング・アンド・コンストラクションが中心となって工事に取り組んでいる。

\

また、先月には減圧蒸留装置と異性化・アルキル化装置の設置プロジェクトで、韓国のLG商事と現代エンジニアリングが計画策定・実施業務を5億3,000万ドルで受注した。この計画は高オクタン価ガソリンの生産を目的とする。

\

英国のペトロ・ガスLLPを中心に排水処理プロジェクトも進行中で、2015年半ばに完了する予定だ。

\

セイディ製油所では来年、残渣(さ)を利用したアスファルト生産設備が稼動する。年産能力は3万7,200トンで、米国のウェスポート・トレーディング・ヨーロッパがプロジェクトに参加している。

\

新設する製油所の立地はバルカン州、アハル州、マリ州を予定する。トルクメンバシ製油所によれば、日揮が率いる日本企業連合が、西南部・カスピ海沿岸のオカレムにおける製油所建設工事の事業化調査を進めている。同製油所は国外出荷を目的として生産する予定だ。

\

日揮はTNGIZTと長い取引関係にあり、年産能力9万トンのポリプロピレン製造設備の供給・設置を受注した実績がある。

\

同製油所の年間処理能力は当初300万トンで、最終的には500万トンに拡張する。2015~16年に着工する予定だ。原料となる原油は国営石油のトルクメンネフチが近隣で開発する油田から供給を受ける。

\