中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2013/6/12

総合・マクロ

EU・ロシア首脳会談、融和姿勢を強調

この記事の要約

ロシア中部のエカテリンブルグで3-4日に開かれた欧州連合(EU)・ロシア首脳会談は、シリア内戦や人権保護など、意見が大きく食い違う問題が多くある中、双方の融和姿勢を印象付けるものとなった。一定の相違を容認しながら、経済関 […]

ロシア中部のエカテリンブルグで3-4日に開かれた欧州連合(EU)・ロシア首脳会談は、シリア内戦や人権保護など、意見が大きく食い違う問題が多くある中、双方の融和姿勢を印象付けるものとなった。一定の相違を容認しながら、経済関係のさらなる緊密化を進める方向だ。具体的な成果は少なかったものの、双方が互いに関係の重要性を認識していることをアピールした。

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ロシアが強く求めてきた査証手続きの簡易化について、バローゾ欧州委員長は「大きな進展」があったと話した。「技術的問題」の解消を経て、近く実現するとの見通しを明らかにした。

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シリア内戦問題では、プーチン大統領が反政府軍への武器供給を可能にするEUの武器禁輸解除に遺憾の意を示した。同時に、アサド政権への対空ミサイルシステム「S-300」販売については、「既存契約の履行」だとした上で、まだ納入していないと話した。

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ファンロンパイEU大統領は、シリア問題の解決に向けてロシアとの協力関係を緊密化させたい意向を示した。

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ロシアが欧州航空会社に対して、来月からロシアに渡航する旅客の個人情報引渡しを求めた問題については大きく触れられなかった。EU側は個人情報保護の観点から、その実現は難しいとの姿勢を示している。

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エネルギー問題については、ロシア側はパイプライン運営と供給の事業分離を義務付ける欧州法で、ロシア企業が不利な立場におかれるのは不当と主張してきた。ガスプロムが競争法違反の疑いで調査を受けていることにも抗議している。

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しかし、今回は2050年までのエネルギー分野におけるEU・ロシアの関係構築の道筋を示す「ロードマップ」での合意を成果として強調した。

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長年の懸案となっている新たなパートナーシップ協定(PCA)についても、できるだけ速やかな締結を目指す姿勢を確認しあった。EUとロシアは1994年にPCAを結んだが、20年近くを経て、内容が時代遅れとなっている。

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