2013/6/19

総合・マクロ

中欧4カ国の洪水被害30億ユーロ、墺エルステが推定

この記事の要約

オーストリアの金融大手エルステは14日、オーストリア、チェコ、スロバキア、ハンガリーにおける洪水損害額を30億ユーロとする推定を発表した。防災対策が奏功し、2002年の大洪水時の約半分にとどまった。国内総生産(GDP)へ […]

オーストリアの金融大手エルステは14日、オーストリア、チェコ、スロバキア、ハンガリーにおける洪水損害額を30億ユーロとする推定を発表した。防災対策が奏功し、2002年の大洪水時の約半分にとどまった。国内総生産(GDP)への影響はほとんどないとみられている。

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今回、損害額が比較的小さかったことの理由としてエルステは、◇2002年の洪水を教訓に、オーストリアが18億ユーロ、スロバキアが6億ユーロ、チェコが5億ユーロ、ハンガリーが4億ユーロの防災投資を実施した◇数日前から水位が上昇することが明らかだったため、洪水に備える時間が十分にあった――などを挙げている。

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製造業への影響もごく限定的だった。大手で生産が中止されたのは、チェコのビール会社スタロプラメンやハンガリーのスズキ工場など個別事例にとどまった。減産分は今後の増産で十分にまかなえる範囲という。

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一方、建物の改修需要で7-9月期のGDPにややプラスの効果が見込める。また、防災対策の効果が証明されたことで、今後この分野に対する投資が拡大する見通しだ。スロバキア政府はすでに洪水対策の実施に向け、2020年までの分として欧州連合(EU)に4億ユーロの助成申請を行った。

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