チェコ国営電力CEZが計画するテメリン原子力発電所拡張工事に向けた手続きがさらに遅れる見通しだ。先月のネチャス首相辞任に起因する政局混迷が続いているためで、CEZ幹部は、落札企業の決定は当初予定から1年以上遅れて来年秋以降になるとの見方を示している。
\CEZのツィラーニ(Cylani)戦略部長は現地週刊誌『エウロ』とのインタビューで、落札企業と正式な契約を結ぶにあたっては、いつ、何を電源とする発電所を整備するかといった国のエネルギー戦略が確定していることが前提になると指摘し、現在の政局情勢では戦略の方向が固まるのは早くて年内との見方を示した。また、建設に当たっては新設予定の2基が発電する電力に固定価格を適用するかなど、採算性の保
\証に向けた具体策を取り決める必要がでてくるため、問題が決着するには1年から1年半の時間がかかると予測している。
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■チェコ新内閣の信任危うし
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チェコでは10日、ゼマン大統領の主導で有識者を中心とするルスノク内閣が発足した。しかし、来月8日に予定される下院での信任投票で支持を得られる可能性は低く、大統領が各党代表と会合をかさねている。
\野党「公共問題(VV)」の会派代表を務めるクラスノヴァ下院議員によると、ゼマン大統領は、ルスノク内閣が原発拡張に関する決定を行うことはないと約束したという。
\ネチャス前首相の辞任に伴い、下院ではネチャス政権で連立を組んでいた3党が、ネムチョヴァー下院議長を首班とする組閣を求めていた。これに対し、大統領は来年に予定される下院選挙を前倒しで実施したい意向で、ルスノク内閣を発足させた格好だ。
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