国際通貨基金(IMF)は7月31日、ルーマニアに対して欧州連合(EU)と共同で40億ユーロの融資プログラムを実施することで合意したことを明らかにした。同国の新経済プログラムの支援が目的で、緊急時に備えた24カ月間のスタンドバイ融資となる。融資枠はIMFとEUで折半する。秋に開かれるIMF理事会とEU経済金融委員会の承認を経て実施に移す。
\ルーマニアはこれまでのIMFの融資プログラムを通して財政再建や構造改革を進めてきた。政府の新経済プログラムは財政の安定、金融分野の健全化、経済成長促進のための構造改革などを重点課題とする。
\IMFは好調な輸出を追い風にルーマニア経済が順調に回復するとの予測に立ち、2013~14年の経済成長見通しを2~2.25%に上方修正した。対GDP財政赤字比率は2~2.5%と予測する。
\交渉ではヒドロエレクトリカ、ニュークリアエレクトリカ、ロムガスなど国営エネルギー会社の民営化についても議論された。墺APA通信によると、鉄道貨物会社CFRマルファの民営化手続きに問題が多かったため、IMFの担当者は新たな民営化では延期を許容しないなど厳しい姿勢を明確にした。
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