トルコで9日、アルコール飲料の広告・販売を制限する法律が発効した。イスラム教を重視するエルドアン政権が先頭に立って導入したもので、都市を中心に個人の自由を侵害するものとして反発が強い。夜間の酒類販売が経営を支えているキオスクや、酒造業者からも、闇販売をうながすと強い反対の声が上がっている。
\禁止されるのは、◇22時から6時までの販売(飲食店を除く)◇学校およびモスク・礼拝所から100メートル以内での販売◇ショーウインドー(外から見える場所)での陳列◇酒メーカーによるイベントのスポンサリング◇試飲品の配布――など。メーカーは、来年6月11日までに、◇18歳未満の若者、妊婦、ドライバーに飲まないよう警告するピクトグラム(絵文字)と、「アルコールは良くない(Alcohol ist not your friend)」という文章を商品に表示しなければならない。
\さらに、公園・浜辺を含め屋外で酒を飲むことも禁止される。
\政府は立法の狙いを、若者などによる乱用を防ぎ、国民の健康を守るためと説明する。しかし、トルコの酒類消費量(アルコール換算)は年間一人当たり3.4リットルと、欧州平均の12.2リットルを大きく下回っており、その意義を疑う声もあがっている。
\政府は酒・たばこへの大幅な課税強化も実施済みで、現地蒸留酒最大手メイ・イチキを傘下に持つ英ディアジオなど、酒造業界も危機感を強めている。
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