10年ぶりの直接選挙となった8日のモスクワ市長選挙は現職のソビャーニン候補が過半数票を獲得し、決選投票を待たずに当選を決めた。しかし、反体制派の指導者ナヴァルニ氏が予想を大幅に上回る3割弱の得票を記録。伝統的エリートに対する風当たりが強くなっている状況が浮き彫りになった。
\中央選挙管理委員会が開票終了後に発表した結果によると、得票率はソビャーニン氏が51.37%、ナヴァルニ氏が27.24%、共産党のメルニノフ氏が10.69%、リベラル政党ヤブロコのミトロヒン党首が3.51%、ナショナリズム政党である自由民主党のデグチャレフ氏が2.86%、左派リベラル「公正ロシア」のレヴィチェフ党首が2.79%だった。
\ナヴァルニ氏は、国営放送への出演拒否などの妨害に遭いながらも、数千人のボランティアを中心に選挙運動を展開。日に何度も街頭に赴いて市民と対話したほか、ソーシャルネットワークメディアを駆使して支持を求めた。ソビャーニン氏に近い筋によれば、投票率が32.07%と低かったこともナヴァルニ氏の健闘を可能にしたという。
\8日は統一地方選で、地方自治体の首長・議会選挙が一斉に実施された。プーチン反対派の抗議活動を受けて地方自治体首長の公選制が復活して以来、初めての首長選だった。
\モスクワ市長選はもともと2015年に行われる予定だったが、ソビャーニン氏が任期満了を待たず、今年6月に突然辞職。統一地方選に合わせ前倒しで実施されることになった。ソビャーニン氏は動機について、市民の意向を早期に問うためと説明したが、専門家らはバカンス前の突然の辞職により反対派に準備の間を与えない戦略だったとみている。
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