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2013/9/25

総合・マクロ

EU、クロアチア制裁手続きを開始

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は18日、今年7月に加盟したばかりのクロアチアに対する制裁手続きを正式に開始した。犯罪者の身柄引き渡しに関する欧州法への違反を理由としている。この問題に対するEU加盟国政府の立場を聞いたうえで […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は18日、今年7月に加盟したばかりのクロアチアに対する制裁手続きを正式に開始した。犯罪者の身柄引き渡しに関する欧州法への違反を理由としている。この問題に対するEU加盟国政府の立場を聞いたうえで、10日後にも手続きの次の段階に入る見通しだ。

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具体的な制裁の内容は未発表だが、◇クロアチア司法の監視◇クロアチアの「シェンゲン協定」加盟準備を目的とする来年度助成金8,000万ユーロの凍結――などが有力視される。

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今回の対立の背景にあるのは、EUで2004年に導入した「共通逮捕状」制度だ。加盟国が互いに犯罪者の身柄を迅速に引き渡すことを取り決めている。他の加盟国で2002年より前に逮捕状が出たケースについて、例外措置として引渡しを拒むことができる規定があるが、これは2002年1月時点でEUに加盟していた国のみに適用される。

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ところが、クロアチア議会は加盟3日前の6月28日、この例外条項を取り入れる形で国内法を改定した。その後、クロアチア政府は欧州委の強い求めに応じ、9月の法改正を約束した。ただ、その施行が来年15日と、即時改正を求める欧州委の立場と開きがあり、解決につながらなかった。

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クロアチアが例外条項を取り入れたのは、旧ユーゴスラビア時代の1983年にクロアチア人の反体制活動家をドイツで暗殺したとして、ドイツが逮捕状を出しているヨシップ・ペルコビッチ容疑者の身柄引き渡しを避けるのが目的とみられている。

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