2014/1/22

ロシア

ロシア窓枠市場縮小へ、更新需要のピーク過ぎ

この記事の要約

ロシアにおける窓枠の売れ行きが急減している。2013年の市場規模は全体で11%、ポリ塩化ビニル(PVC)製に限っても10%縮小した。需要を支えてきた窓枠交換が一段落したことがその背景にある。\ 2013年の販売量は44万 […]

ロシアにおける窓枠の売れ行きが急減している。2013年の市場規模は全体で11%、ポリ塩化ビニル(PVC)製に限っても10%縮小した。需要を支えてきた窓枠交換が一段落したことがその背景にある。

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2013年の販売量は44万トンだった。ロシアの窓枠市場は古い窓枠を新しいものに替える更新需要がけん引してきた。しかし、1995年以前に建てられた建物のうち、熱遮断効果の高い新しいタイプの窓枠が入っている比率は2008年の28%から現在は54%強に拡大。今年末には60%に上昇する見通しだ。25%は古い窓枠を使い続ける見通しで、今後の需要は残る10~15%の入れ替えに限られる。

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一方、もう一つの柱となるべき新築需要も見通しが暗い。ロシアの主な施工主は政府だが、昨年は関連予算を8,400億ルーブル(200億ユーロ弱)削減した。今年も昨年度の5%に当たる200億ルーブル弱(60億ユーロ弱)がカットされる予定だ。

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一般世帯も債務超過の傾向にあり、新築案件が増える見込みはない。

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このような状況を踏まえ、市場調査会社で窓材・窓まわり建材に詳しいオクナ・マーケティングでは、2020年までに市場が22万トンに半減すると見込んでいる。

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昨年販売された窓枠のうち、国産品は93%に当たる41万トンを占めた。メーカー別シェアではドイツ3社の現地子会社が3位までを占め、市場の40%を握る。

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需要低迷を受けて、業界企業は投資に慎重だ。日本板硝子の子会社であるピルキントンはウリヤノフスク工場建設を2016年以降に先送りした。

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唯一、プラスチック窓枠の塗装を手掛ける露ストロイハウスがモスクワ近郊のクリモフスク工場を拡張する計画だ。(「目で見る東欧・CIS経済」を参照)

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