ロシアの炭酸カリウム大手ウラルカリは20日、今年上期の中国向けカリウムの契約販売価格を1トン当たり305ドルとすることで中国側と合意したと発表した。昨年の契約価格は400ドルで、24%の値下げとなる。新契約に基づき、70万トンの販売が予定されている。
\ウラルカリのペトロフ販売・マーケティング部長は、「中国企業との契約は需要の増加と市場の回復を証明している。中国側パートナーとの合意条件は双方にとって利益をもたらすものであり、顧客である中国の農業生産企業の利益にかなうものだ」と述べた。中国は炭酸カリウムの世界最大の需要国であり、中国との契約価格が世界市場価格の基準と見なされている。
\世界最大級の炭酸カリウム生産会社であるウラルカリは、2005年にベラルーシ同業ベラルーシカリと合弁会社「ベラルーシ・カリ会社(BKK)」を設立。世界のカリ市場の4割を握ってきた。しかしウラルカリは昨年夏、事業方針をめぐる対立などからベラルーシカリとの合弁を解消。これに伴い炭酸カリウムの世界市場は混乱に陥り、1トンあたりの価格が7月に400ドルから25%も急落した。
\ウラルカリは先ごろ、昨年の生産量が前年比10%増の1,000万トンだったと発表した。炭酸カリウムの世界需要は昨年の5,300万~5,400万トンから今年は5,800万~6,000万トンに拡大すると予想されている。
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