中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2014/3/19

総合・マクロ

中東欧経済の成長加速、年2~3%に=WIIW春季予測

この記事の要約

ウィーン国際経済比較研究所(WIIW)は13日発表した春季経済予測で、中東欧諸国の2014~16年の域内総生産(GDP)成長率は年平均2~3%に拡大するとの見通しを示した。長引く経済危機で先送りにされていた公共投資の活発 […]

ウィーン国際経済比較研究所(WIIW)は13日発表した春季経済予測で、中東欧諸国の2014~16年の域内総生産(GDP)成長率は年平均2~3%に拡大するとの見通しを示した。長引く経済危機で先送りにされていた公共投資の活発化を受けたもので、これに刺激されて民間投資も増えるとみている。一方で最大のリスク要因としては、ウクライナ情勢の緊迫化を挙げた。

WIIWによると、◇スロバキアとルーマニアの高速道路建設◇複数の南東欧諸国における石炭火力発電所建設◇原子力発電能力の拡大――など、エネルギー・交通インフラ部門における大型プロジェクトが動き始めている。

また、欧州連合(EU)加盟国では、EU助成金の活用率を引き上げるため、助成の条件である公共投資予算拡大を進める傾向にある。これが民間投資を刺激している。

一方、ユーロ圏の景気回復で輸出が拡大する民間部門も設備更新・生産能力強化に動きつつある。これにより雇用市場も上向き、消費拡大につながると見込まれる。

国別で高い成長率が見込まれるのはバルト三国(2.6~4.2%)、ポーランド(2.4~3.2%)、スロバキア(2.4~3.2%)、ルーマニア(2.4~3%)。一方でスロベニア(-0.5~1.5%)とクロアチア(0~1.5%)は苦戦しそうだ。

ウクライナは今年1.1%の景気後退となり、16年に1.8%増まで回復する見通し。ロシア経済成長率は今年、昨年より0.3ポイント増の1.6%に改善。来年は2.3%、16年は3.0%となる予測だ。