スロベニアのブラトシェク首相が5日、辞任した。先月末に支持基盤である与党「積極的なスロベニア(PS)」の臨時党大会で党首の座を追われたことが理由だ。3日の連立与党代表との会談を踏まえ、前倒し選挙の早期実施に努める姿勢を改めて示している。6月22日の選挙を狙うが、憲法の規定に従うと実現は困難とみられ、地元メディアは9月実施を有力視している。
パホル大統領は選挙に向けた手続きを加速させるため、組閣命令権を行使しない姿勢を示した。スロベニアでは議員10人の賛成で首相候補を提案することができるが、ブラトシェク氏は議会会派に対してもこれを見送るよう呼びかけた。
今回の辞任を機に、スロベニア左派勢力再編の動きが進みそうだ。党首退任と同時にブラトシェク氏と閣僚2人、議員12人がPSを離党した。PSの議員数はこれにより13人に減った。
PSのヤンコヴィッチ新党首に対しては汚職疑惑で当局が捜査を進めている。ブラトシェク政権で連立を組んだ3党はいずれも、ヤンコヴィッチ氏との協力を拒んでいる。(東欧経済ニュース4月30日号「スロベニア首相が離党、前倒し選挙を検討」を参照)