2014/5/7

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ルーマニア、違法雇用対策プロジェクトが始動

この記事の要約

ルーマニア政府が今月から、違法雇用と脱税の根絶に向けたパイロットプロジェクトを開始した。まずはプロイエシュティ市とブラショフ市を対象とする。実地で経験を集め、来年から全国に適用を広げる。 税管理庁(ANAF)によると、今 […]

ルーマニア政府が今月から、違法雇用と脱税の根絶に向けたパイロットプロジェクトを開始した。まずはプロイエシュティ市とブラショフ市を対象とする。実地で経験を集め、来年から全国に適用を広げる。

税管理庁(ANAF)によると、今回の措置は欧州連合(EU)および国際通貨基金(IMF)との約束に基づくもので、◇違法/半合法的雇用の予防・撲滅◇公正競争の促進◇社会保障強化による被用者保護――を目標とする。企業には、90日以内に労働法など関連法規の違反をなくすよう求めた。社会保険料や法人税の納入を怠りがちな業界を中心に検査を実施するという。

現地のbpvグリゴレスク・シュテフニク法律事務所によると、ルーマニアの違法雇用規模はおよそ100万人と推定される。零細企業だけでなく、従業員100人超の企業にもその例がみられ、問題の根は深い。

違法雇用がはびこる原因としては、◇税制◇習慣◇雇用契約の利点についての知識が欠如◇契約上の責任を負うのを避けたい雇用者の心理――などがあるとみられる。政府はこれらの原因の除去に向けても取り組む考えだ。

先月30日には、企業の雇用創出に助成金を支給する案が閣議決定された。政府関係者によると、初期投資を通じて20人以上の雇用を創出した企業を対象とし、2年間にわたり賃金の一部を助成する。利益限度額など、一定の条件を満たすことが必要となる。助成措置の適用期間は今年7月から2020年末まで。

このほかにも、時限雇用の拡大や解雇条件の緩和といった案が検討されている。