ロシア石油大手ルクオイルは、天然ガス事業を強化する方針だ。5月27日付け現地紙『コメルサント』が報じた。原油生産量が頭打ちになっていることを受け、天然ガス最大手ガスプロムと共同でロシア東部での開発事業に乗り出すなど、天然ガス分野でプレゼンスを高めることを目指す。
ルクオイルとガスプロムは先ごろサンクトペテルブルクで開催された国際経済フォーラムで、2014～24年までの戦略提携協定に調印した。両社はロシア大陸棚、カスピ海、東シベリア、極東での共同開発の可能性について検討する。『コメルサント』氏が消息筋の話として伝えたところによると、共同開発の可能性が最も高いのは東シベリアで、生産された天然ガスは中国・アジア太平洋地域に出荷されることになるという。
ルクオイルがガス事業の強化に積極的な理由として消息筋は、ネネツ自治管区などにルクオイルが保有する油田地帯は開発余地が少なくなっていることを挙げている。さらに、多くの大規模ガス田の周縁部には石油が埋蔵されているため、ガス田開発に注力するメリットは大きいとしている。
