トルコ中央銀行は6月24日、主要政策金利である1週間物レポ金利を現行の9.5%から0.75ポイント引き下げ、8.75%にした。利下げは2カ月連続。利下げ幅は市場予測の0.5ポイントを上回った。翌日物貸出金利は12%、借入金利は8%を維持した。
バシチュ総裁は今回の利下げの理由として、◇インフレ率低下の兆しがある◇経常収支の大幅な改善◇市場における資金調達の条件が改善――を挙げた。市場関係者は5月の物価上昇率が前月を上回る9.66%に達したことなどから、中銀の見通しに必ずしも同意していない。しかし、利下げ決定後も通貨リラの為替相場は安定しており、トルコ中銀は市場の信用を維持することに成功したもようだ。
来月10日の大統領選に出馬する予定のエルドアン首相は、中銀に対する金融緩和の圧力を高めている。先月(5月)の利下げに対しても「0.5ポイントでは下げ幅が足りない」と公に批判していた。
トルコでは、昨年12月の汚職疑惑浮上を機に通貨リラが急激に下落し、中銀は1月、為替相場安定に向けて4.5%から10.0%へ(5.5ポイント)の大幅利上げに踏み切った。