米インターネット・通販大手のイーベイは23日、ロシア郵便と提携に向けた趣意書に調印した。欧米諸国が対ロシア制裁を強化するなかでも、ロシア事業強化計画を堅持する姿勢を示した。
提携の目的はロシア通販事業のネックとなっている配達時間の短縮だ。また、ITシステムの連携で商品を追跡しやすくすることも狙っている。
ジョーンズ副社長は事業拡大の計画に変更がないと言明しているが、ロシア政府はマスターカードやビザなど国際決済サービス事業者に関連する法規制を強化しており、これがロシアでの事業経費を膨らませる可能性がある。
イーベイはロシアなどBRICS新興諸国における事業拡大を戦略として掲げる。ロシアへは2010年に進出し、12年夏に統括本部を設けた。12年の会員数は100万人弱、年間売上高は4億2,500万米ドルに上った。9月には流通業者に取引の場を提供するマーケットプレースサービスを開始する予定だ。
イーベイは昨年、BRICS諸国での売上を3年以内に4倍化する目標を明らかにした。
ロシアの電子商取引市場は年30%のペースで成長している。