2014/8/6

総合・マクロ

欧州委、ポーランド国営航空への支援承認

この記事の要約

欧州委員会は7月29日、経営難に陥っているポーランド国営LOT航空に対して同国政府が実施する2億ユーロの公的資金注入を承認したと発表した。政府の支援は、競争を過度に歪めることなく同航空の長期的な存続を可能にすると判断した […]

欧州委員会は7月29日、経営難に陥っているポーランド国営LOT航空に対して同国政府が実施する2億ユーロの公的資金注入を承認したと発表した。政府の支援は、競争を過度に歪めることなく同航空の長期的な存続を可能にすると判断した。

ポーランドのフラッグキャリアであるLOT航空は、格安航空会社に押されて業績が悪化。2008年から赤字が続き、経営危機に直面している。これを受けて政府は昨年、同社の当面の運転資金と合理化費用の一部として2億ユーロの注入を決定。同6月に欧州委に認可を申請した。これに対し同委は、認可申請の際に提出されたLOT航空の再建計画に疑問点があるとして、同11月から調査を行っていた。

欧州委は、LOTの再建計画が「現実的な想定に基づいており、長期にわたる事業の存続を合理的な期間内に可能にするものだ」と評価。さらに、同社が支援を受けるにあたって運行路線の削減など、同業他社との平等な競争条件を確保する措置の実施を提案していること、企業救済・事業再生のための国家補助ガイドラインが定める基準を上回るリストラ費用を負担していることなどから、政府による公的資金注入は違法な国家補助にはあたらないと結論づけた。

LOT航空のミコシュ最高経営責任者(CEO)は欧州委の決定を受け、「LOTにとって非常に重要な日だ」と語り、再建計画はコスト削減と収益改善により同社の長期的存続を確実なものにするとの考えを示した。同社は13年12月期の最終損益が5年ぶりに黒字転換した。再建計画が承認されたことで、経営の建て直しに弾みがつくことが期待される。