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2014/8/20

総合・マクロ

ウクライナ外相、EUとNATOに軍事援助を要請

この記事の要約

ウクライナのクリムキン外相は17日、独ラジオ放送とのインタビューで、ウクライナ東部での停戦に向けて、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)に軍事援助を要請したことを明らかにした。親ロシア武装勢力が抵抗を続ける東部 […]

ウクライナのクリムキン外相は17日、独ラジオ放送とのインタビューで、ウクライナ東部での停戦に向けて、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)に軍事援助を要請したことを明らかにした。親ロシア武装勢力が抵抗を続ける東部地域で軍事的に優位に立ち、交渉に消極的な親ロシア派に停戦を受け入れさせたい意向だ。軍事援助がロシアと欧米の戦争に発展する危険はないとみている。

クリムキン外相は同日夕に開かれた、ロシア、ドイツ、フランスとの4カ国外相会議に出席するためベルリンを訪れていた。5時間に及ぶ会議では大きな進展は見られなかったが、停戦に向けた話し合いを継続する姿勢は確認できたもようだ。

シュタインマイヤー独外相は会議前に、ウクライナ軍とロシア軍が交戦するような事態は何としてでも避けなければならないとコメント。会議の目的が、継続的な停戦と実効性のある国境管理に向けた道筋をつけることにあると述べた。

ウクライナ東部情勢は依然として緊迫が続いている。親ロ派の幹部で「ドネツク人民共和国首相」を自称するザハロチェンコ氏は15日、インターネットで公表されたビデオの中で、ロシアから戦車30台を含む150台の軍用車両と「ロシア連邦で4カ月の訓練を受けた」戦闘員1,200人を受け入れると認めた。親ロシア勢力がロシアからの支援を認めたのはこれが初めて。

ロシア政府は「そのような事実はない」と否定。ウクライナ政府が同日、越境してきたロシア装甲車の隊列を攻撃し一部を破壊したと発表したことについても「幻想」とコメントしている。